4月 会長先生 ご法話

  • 2019.04.01 Monday
  • 10:46

4 月 会 長 法 話

香 る 風 の よ う な 人 に

 

1)心に香風が吹きわたる

春の花の代表格は桜ですが桜の花を見るよりも先に、梅や沈丁花(じんちょうげ)や辛夷(こぶし)の甘い香りをのせた風に春が訪れた喜びを実感する人も多いのではないでしょうか。

 その喜びにも通じる言葉が、法華経の「序品」にあります。

栴檀( せんだん ) 香風 ( こうふう )   ( しゅ ) ( こころ ) 悦可 ( えっか ) す」

―この一説を開祖さまは、「仏さまの香風が衆生の心の中に入ってくると大歓喜が生じる」と、簡潔に説明しています。

 仏の教えに出会えた私たちは、その教えを聞き、学び、実践していくなかで数々の気づきを得ます。

いやだと思っていた人やものごとに感謝ができるようになったり、それまで幸せだと感じていたことは自己中心の思いに過ぎなかったと気づいたりして、生き方が変わるのです。

 そうしてほんとうに大切なことに気づき、悩みや苦しみから解き放たれた悦びを、私たちは「教えによって救われました」と、思わず口にします。

それが、開祖さまのいう「大歓喜が生ずる」でしょうし、そのときの人は「悦可」しているのです。

ちなみに「悦」という文字は、心のわだかまりをとり去る悦びを意味します。

 

 (2)みんな「徳のある人」

  法句経に「徳のある人びとの香りは風に逆らっても進んでいく」「徳のある人はすべての方向に香る」とあるように、人の心「悦可」するには「徳分」が 必要という見方もできそうです。

 よく「私のは徳がない」とか「あの人には徳がある」といったりしますが、修養や善行の積み重ねが「徳分」を身につける決め手なのかもしれません。

私たちがいま、この世に一つの命を授かって生きているというのは、大自然の徳はもちろん先祖や親の徳をいただいているからです。一人ひとりが、すでに豊かな徳を具えているということですから、私たちは自らの「徳分」に気づいて、それを成長させれば、だれもが香風を運ぶ「徳のある人」になるもです。

そこで大切なのは、「有り難い」という気持ちです。なにごとにも感謝を忘れないで素直で謙虚な人には、自然に人が引き寄せられます。そのうえで示す、明るく、やさしく、あたたかい態度や言葉は、持ち前の徳をいっそう香らせることでしょう。思いやりをもって和やかにふれあうそこに、教え の香しい風が吹きわたり、それが人を憩わせるのです。

   釈尊の降誕月である四月をもって、平成が改元されるといわれます。これは、平和を醸成する務めがマンネリに陥らないよう、心を新たに切り替える機会をいただいたものと、私は受けとめています。仏の教えという香風を運ぶ生き方が、いっそう大切になります。

                                                                                                                                                                                                   合掌

                                                 佼成4月号より抜粋

                                                                         平成31年4月1日           

 

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